アイマス10年生が見た蓮ノ空
ちょうど1週間前、ラブライブ!蓮ノ空女学院アイドルスクールクラブの卒業公演がKアリーナ横浜で行われた。
私が追った初めてのラブライブコンテンツで受けた衝撃が想像以上にすごかったのでここに記すこととする。
なお、文中にも記載しているがラブライブの知識はものすごい薄っぺらいので間違った記載があっても大目に見ていただきたい。
蓮ノ空との出会い
出会いを書く前に少しだけ私のことを記しておく。
多くの方と同じように765プロのアニメでアイマスに触れ、合同ライブや劇場版の舞台挨拶に参加するようになり、そこからアイマス内の1コンテンツであるミリオンライブ!を1年目から真剣に応援するようになった。ミリオンライブが去年10thイヤーを締めくくったのでアイマス10年生と表題したが、ライブにも毎年参加しフラスタを出したり貸切打ち上げとしたりとそれなりに熱量を持った10年生の自覚はある。
そんな私であったがラブライブ!には不思議とあまり縁がなかった。μ’sの出ている無印とLiella!の出ているスーパースター!!の1期のアニメを見たことがあるくらいでコンテンツのライブにも参加したことはなかった。アニサマやバンナムフェスなどのフェスで曲いいよな~、ダンスすごいな~と思うことはあってもミリオンで忙しかったりとタイミングが合わなかったのだと思う。(友人に誘われて2.5次元に興味があったのでスクールアイドルミュージカルには参加したことがある。)
蓮ノ空が始まった時もラブライブコンテンツに触れている友人からなんか新しいのが始まるらしい、今度はキャラクターのガワを被って配信するVtuberみたいなコンセプトらしいよ、みたいな話を耳にしてふーんと思った記憶くらいしかない。アイマス内でシャイニーカラーズや学園アイドルマスターが始まった時はそれぞれ初日からアプリをDLしてゲームプレイしていたのとは大違いである。
というように知らぬ間にゲームが始まり特段触れることもなかった蓮ノ空であったが、Xのフォロワーにはちょくちょくプレイヤーがいて、9月末(2023年)に無料10連をゲーム内で開催するらしいという情報が流れてきてなぜかインストールをした。その時はまさかこんなポエムを綴ることになるとは夢にも思っていなかった。
曲が強かったのでライブに参加した
さて、蓮ノ空のゲーム(以下、スクステ)をインストールしたものの並列でいろんなソシャゲをプレイしていてミリオンのアニメ化でも忙しかった私は特にスクステにのめりこむことなく、デイリーミッションとおはガチャを毎日こなすだけのただのソシャゲプレーヤーだった。いろんな人に勧められたストーリー(以下、活動記録)を読むこともせずにそのままフェードアウトしそうな感じさえあったが、たまたま聞いた曲が好きで1stライブに参加することに決めた。
そのきっかけの曲が「Holiday∞Holiday」、スリーズブーケというユニットが歌うポップなデュオソングで
“月火水木金土日 毎日がHoliday"というサビの歌詞はアイマスとラブライブの合同イベントとして行われた異次元フェスで耳に残った人も多いのではないだろうか。
ライブに行くことを決めた私はそこから曲を聴き進めていき、スリーズブーケ・DOLLCHESTRA・みらくらぱーくと3ユニットある中でどうやら私はスリーズブーケの曲が好きらしいとわかるくらいにはリピートしてハマっていった。ユニット曲では「Reflection in the mirror」「眩耀夜行」、全体曲でも主題歌的な「Dream Believers」以外にも「On your mark」「夏めきペイン」などいろんな曲を楽しみにライブの準備をしていたことを覚えている。
参加した1stライブがすごかった
そうして参加したのが1st Live Tour ~RUN!CAN!FUN!~の東京公演(Day2)である。アイマス10年生なので当然声優ライブは初めてではないし、フェスでμ’sやAqours、Liella!のパフォーマンスも見たことがあった。それでも初めてのラブライブコンテンツの単独ライブがどんな感じなのかは知らなかったのでそれなりにわくわくしていた。
まずは分量がすごかった。基本的には2人組のユニット×3と後は全体曲なので1stライブだしユニット4-5曲×3+全体曲数曲で20曲くらいかな~となんとなくあたりをつけていた。そしたらセットリストは全部で30曲あった。一番多い人たち(スリブ・ドルケの4人)は17曲歌唱している。一部トロッコ曲もあったがほとんどは振り付きのダンスもこなしているのである。
そしてすごいのは曲数だけでない。基本2人ユニットということもあるのだと思うがユニットメンバーのダンスのシンクロやフォーメーションなど息のあったパフォーマンスのレベルが高かった。私の応援していたアイマス(ミリオンライブ)が特定アイドルでのユニット制をとっていないこともあって、まだ1stライブなのにめちゃくちゃすごいコンビネーションを見せつけられたことに私はただただ驚くしかなかった。
そして演出が印象的だった。他のラブライブでどうなのかは知らないが蓮ノ空のライブではゲーム内の活動記録(アイマスで言うところのストーリーコミュ)のダイジェストがライブの幕間で流れる。当時はそこまで蓮のストーリーに詳しくなかったのでちゃんと理解していたわけではないが、どうやらセットリストとシナジーが生まれるようにダイジェストを間に挟んでいるっぽいことは当時の私にも分かった。
そしてただ幕間映像を挟むだけではなく衣装着替えもその間に行っていて、披露する曲の衣装として作られたものを着て歌うのである。これはアイマスでは衣装替えがだいたい【個別・ユニット衣装で登場→アンコールで全体衣装に着替え】くらいの進行が多いので新鮮だった。
アイマスにはトップアイドルを目指すというテーマはあるものの、一部のアニメをテーマにしたライブを除いて道筋の整ったストーリー進行というものはないことが多い。ストーリーを強く感じ、追体験をしているようなライブというのを実際に参加してみて、新たなエンターテイメントに出会った気がした。
蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさんになった
1stライブに参加して、その体験がとてもよかった私は詳しく蓮ノ空について調べ始めた。
そしたら蓮ノ空のキャラクターはリアルタイムで学年が進むらしいということが分かった。
これはいわゆるサザエさん時空のアイマス側の人間にとって衝撃が半端なかった。たとえアイマス10年生であっても担当の北沢志保14歳の誕生日は何回も祝っているのに1回たりとも15歳の誕生日を迎えたことはないのである(一部例外あり)。きっとそれは今後も変わらないと思っている私にとって、蓮ノ空では毎年キャラクターが年齢を重ね、当然高校3年生になった次の年には卒業すると聞かされても理解が追いつかない。そしてキャラクターが卒業するということは同時にキャストもコンテンツからの卒業になるらしい。
え?この前1stライブで素晴らしいパフォーマンスをしていた6人の半分(コンテンツ開始当初から2年生だったキャラクターのキャスト3人)があと1年半で卒業するの??意味わからなすぎない???
自分がメインで応援しているミリオンライブを1stライブから10年間見てきているので、その間にはキャストの皆さんも進化を遂げてきた。そしてその成長は10年間で時に私を驚かせてくれ、時に私を感動させてくれた。そんな彼女たちに終わりは(今のところ)ない。元祖である765プロなんて今年で20周年である。そういった時間の流れに身を置いてきた私にとって終わりが決まっているというのはとても興味深かった。
限られた時間の中で戻ることのない時を刻んでいく彼女たちをもっと見てみたい。そう思うのに時間はかからなかった。
そうして私は"蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん"(≒アイマスで言うところのプロデューサーさん)になった。
活動記録をそこからしっかりと読み、異次元フェスやラブライブユニット甲子園を経てどんどんと蓮ノ空にのめりこんでいった。
リアルタイムとの連動性①
アイマスをはじめとしてマクロス(F・Δ)やバンドリなどいろんなコンテンツライブに参加してきたが、ライブが行われる時期とゲーム内のストーリーとの連動性が極めて高いのが蓮ノ空の強みだと私は思う。
ゲーム内では2024年の3月から4月にかけて学年が1つ進んだ。そして新1年生が入学してきた。
初期のスクールアイドルクラブ6人の中に3年生はいなかったのでこの年はステージキャストの卒業はなかったが、スクールアイドルクラブにとっての大恩人にあたる生徒会長が卒業するので4月・5月に行われた2ndライブ(ストーリー公開のタイミングや会場の都合で3月末ではないのはある種の限界である)の演出や曲目では卒業が1つのテーマであった。それ自体はストーリーを読んでいた人なら予想できていたはずである。
しかし蓮ノ空の時間に対するこだわりはそんなものでは収まらない。ライブの終盤、アンコール後のMCがひと段落したのもつかの間
「1年間今まで歩んできた仲間と共にその軌跡とその先に向かう決意を皆さんにお届けします」
「この曲が103期6人で歌う最後の曲です」(※103期=2023年度スクールアイドルクラブ体制)
このセリフと共にライブ内でも明確に時間が進んだことを我々に突き付けてきたのである。
この曲が終わった後には新1年生が加入したそれぞれのユニット曲を披露してここから先は104期(2024年度)のライブなんだぞ、と構成も含めて否応なしに理解させた。
もう時計の針は戻ることなく、来年には今ステージ上で歌っているうち最上級生の3人は卒業するんだ、とこの時に本当の意味で理解をしたのは私だけではないと思う。
103期最後の曲をステージ上で歌っているキャストが感極まっているのを見て、なんて恐ろしい瞬間に立ちあってしまったんだ…と鳥肌が立ったのを今でも覚えている。
リアルタイムとの連動性②
進級・卒業以外でもストーリーで流れた時間はライブに積極的に組み込んでくる。
3rdライブ千秋楽が2025年の1月に横浜アリーナで行われたのだが、ライブ直前のストーリーではラブライブ全国大会への出場までは決まっていた。今までのライブ同様にここまでのストーリーをダイジェストで振り返りつつライブが進んでいく。
104期(2024年度)の活動と共にライブ内の時間も進んでいきラブライブ予選前にたどりつき、そしてアンコールが始まった。アンコールではラブライブ地区予選曲と北陸予選曲が披露された。
披露後、いつもなら照明が点灯して本日の公演は終了しました的な会場アナウンスのタイミングになっても会場は暗いまま…我々の知らない物語が幕間としてライブ会場で初公開された。その後がどうなったのかは今後知る予定の人もいるかもしれないのでここでは省略させていただく。
会場で1万人規模の好き好きクラブのみなさんと一緒に一喜一憂しながら未知のストーリーを見守ったあの瞬間、あの場にいた誰もが今私たちはラブライブ全国大会に立ち会っている、と思ったに違いないだろう。そして会場を後にする際におそらく会場全員が味わった主人公とシンクロした”あの”感情はいろんな意味で2度と味わえないといえるくらい得難い体験だった。
そして卒業へ
そんな3rdライブから2カ月後の3月にゲーム内では最上級生であった3人が卒業を迎えた。活動記録では少し前から3人の卒業に向けた気持ちの整理が進んでいたり、3年生の卒業を記念したカードが出てきたりと少しずつ我々の覚悟も決まっていったように感じる。
そして4月になってシーズンが移り変わるとゲーム画面では卒業した"元"3年生の各種カードは卒業生枠に移動させられ、新たに加入した105期生が画面に並んでいる。
さらにゲーム情報を含むコンテンツの最新情報を届けてくれる"リンクラ生配信"やクオリティが高いと一部で評判(料理回とかオススメ)の”せーので蓮ノ空”(通称せーはす)の出演者には当然のように卒業した3人を演じるキャストの名前はない。
こうして4月を境にゲーム内からのキャラクターの卒業が果たされたが、私たちにはまだ大きなイベントが残っていた。それが4thライブである。”4th Live Dream”と銘打ったこの公演では3月に卒業した3人の最後の公演として、さらに4月に入学した新入生の初めての舞台として本来では交わることのない時間軸であることも含めて"夢"の名前が冠された。
ゲームの聖地である石川県金沢市での初の大型公演からはじまり兵庫公演を経て、最後にKアリーナ横浜で102期卒業公演と題して3人のラストステージが開催された。
ライブは生モノであって同じ曲であっても次に披露する時はまた別物になるというのはよく知っていたことだし、結局披露機会に恵まれずにその披露から先何年も演じられない曲があるということもライブではままあることだ。それでも私はこれまで、今まさに聞いているこの曲をこの組み合わせで歌うことはない、と覚悟して聞いたことはなかった。というよりも次がないのだから目に焼き付けなければならないという必死さを自分がライブで発揮していて、これが覚悟なんだと実感してしまった。
途中でも話したが蓮ノ空は3ユニットで活動している。今回卒業する3人にはそれぞれユニットに所属する、まさに直系の後輩みたいな存在がいる。その中でも初期から活動してきた前述の”103期6人”(卒業3人+それぞれのユニットの相方3人)の絆は本当に強いものなのだと感じるシーンがたくさんあった。私たちだってリアルタイムを感じながら応援してきた卒業生の3人であるが、直系の後輩たちはコンテンツが始まる前の準備段階からずっと一緒に戦ってきている。何度も2人で練習して歌って踊ってきた曲、今日このステージで披露しているこれが最後なんだという気迫が一挙手一投足から伝わってきたし、時にはこらえきれずに感情がにじみ出ている瞬間もあった。きっとこれが限られた時間の中ですごすスクールアイドルという存在なのだとその光を感じられずにはいられなかった。だから多くの人がスクールアイドルに魅了されてやまないのだとわかった気がする。
私は蓮ノ空を応援するようになってまだ2年もたっていない。しかしそれだけの期間でもこれまで触れてきたどんなコンテンツとも異なる独自の特色がたくさんあり、ここでしか味わえない感情をたくさん得ることができたと思う。
今回は私がいかに蓮ノ空にハマっていったかをメインで書いたので蓮ノ空についてもっと知りたいという方は下記noteがよくまとまっているので参考にしてほしい。
終わりに
この記事を書いたのは誰かに蓮ノ空を勧めたいとか、もっと蓮ノ空を知ってほしいというような高尚な目的ではなく、ただ単に長いことアイマスを応援していた人がどうやって蓮ノ空にハマったのかを書きしるしただけである。
しかし世の中なにがきっかけになってコンテンツに触ってみようと思うかなんて、冒頭でリセマラが最初の出会いだったと書いた私はよく知っている。なので面白そうなコンテンツだと思ってもらえたなら長文を読んでもらった甲斐があったというものである。
キャストの1人がつい先日の公演の締めのMCで「多分いばら道になる」と語った105期(=2025年度)、その人気と実力で蓮ノ空を引っ張ってきた102期の3人は卒業していなくなってしまった。無情にも時は過ぎていくが、限られた3年間という時間の中でくりかえす物語が次はどう進んでいくのか。その目で確かめてみるのはどうだろうか。
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